馬(うま)は、古代から人間に関係の深い動物である。最古の洞窟壁画にも馬が描かれている。
家畜化されてからは、労働用、荷役、乗用に役立っている。
古代の二頭立て戦車の時代から、1900年初めまで軍事用に重要な役割を持っていた。
現在では競馬や競技、儀礼用、役者馬など一部の用途に限定されている。
また人馬一体、ウマが合うなどともいう人間と心通わすようなところがあり、人間は馬が大好きであるようだ。
※馬の項目一覧は最下段
足が多い(5〜8本)特徴を持つ神話伝説的な馬、空を飛ぶ、あるいは空を
飛ぶように速い?馬(天馬)、一日に○○も走る馬、などと機動力を大きくアピールする伝承が目立つ。
より機動力の高い馬、名馬・駿馬は、ある意味最新・最上級スペックの兵器であり、
王や英雄、騎士、武士が血まなこになって
求めるのは当然であったろう。
故事名言「隗(かい)より始めよ」は「部下に名馬を求めさせたら馬の骨に五百金も払ってヘタうった
かと思ったら
"骨でも大金だすんだプロデュース"となり千里馬が三頭も売り込まれてきた」みたいなことがあるから
名将求めるなら私(隗)みたいなヤツから雇ってみましょうよ話だが、馬を求める重要さがうかがえる。
日本の文章記録では『古事記』などに
アマノフチコマの記述、
また『続日本紀』には701年(大宝元年)5月5日に天皇が走馬(はしりうま)を観覧したという記録がある。
他
「宇摩(うま)ならば ひむかの駒」(『日本書紀』推古20年正月)
「宇万(ウマ)に太馬(ふつま)に負せ持て越辺にやらば人かたはむかも」(『万葉集』-1408 大伴坂上郎女)
なお馬の母子を騙して交合させると、恥じて死んでしまうという伝承が各地にある。 母馬が子馬を成長後もよくみわける特性を観察して知っていたゆえか?
馬の名称
(モンゴルなど遊牧・牧畜文化の場合、年齢性別去勢有無まで個別語彙がある)
うま (日本 平安期等表記 むま) 漢語マー等から転じたという
(ウシもオオシシがウシになったという。大馬おおま、王馬、美(うま 良いの意味)など諸説)
ウマーになったか?)
馬(マー) (中国)
ホース horse (英語:6歳以上の牡馬)
メア mare (英語:6歳以上の牝馬)
スタリオン stalion (英語:種牡馬)
他、うま に近い英語(ニュアンスの違いが細かい)
nag , steed , chaber , bangtail , jade , plug など
スティード steed は軍馬らしい
ヒッポ hippo (ギリシャ)
エクウス (ラテン語)
その他の伝承
ヨーロッパ:蹄鉄Horseshoeにお守り・まじない的意味を持つ
参考資料
・
馬―その生涯 (柴田健作、十河原康:共著 カラーブックス 1977年)
・
馬のすべてがわかる本―速い、優しい、立って寝る (PHP文庫)
・
十二支考〈上〉 (南方熊楠:著 岩波文庫)
・
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
他
関連項目一覧
動物
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