またはビスクラヴァレBisclavaret(スペイン語系か)。
ケルト系のフランス北西部のブルターニュ地方の伝承。ルー・ガルー(狼男,狼憑き)をいう言葉。
しかし狐の姿が多いという。
12世紀のマリ・ド・フランス(著作 邦訳『十二の恋の物語』有り)のレー(韻文の短い物語)作品『ビスクラヴレ』にみられる。(毎週続けて3夜、服を脱いで狼となる領主が、妻と愛人に服を隠され人間にもどれなくなる話)
近代ブルターニュではブレイズ=ガルヴ、デン=ブレという名称も使われたという。 しかし最も一般的なのはルー=ガルーである。
この人間に似た怪物は魔法使いが化けたものだともいう。
狩人の馬の前に飛び出して馬をおびえさせる。
ビスクラヴァレが出現する時、「見知らぬ貴婦人が現れ茶菓を差し出す」といった場合、正体は妖精ではないかと
警戒したという。(日本の「狐に化かされた」のようだ)
エドゥアール・ダングルモン氏の伝説詩の中に ビスクラヴレットを扱ったものがあるという。
余談だが、現代では日本のスマホゲーム『拡散性ミリオンアーサー』において知られる。
最低コスト2で使用できるカード「第二型ビスクラヴレット」があり、
他にも多数のビスクラカードが登場している。
参考資料
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世界の怪物・神獣事典 (キャロル・ローズ著 原書房)
・
地獄の辞典 (コラン・ド・ブランシー:著 床鍋剛彦:訳 講談社)
・
図説 ヨーロッパから見た狼の文化史 (ミシェル・パストゥロー:著、蔵持 不三也:訳 原書房) ※P75『ビスクラヴレ』
他
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary