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スオミ(フィンランド)の神話・民話 Suomi

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日本、英語ではフィンランドと呼称されるが、自称国名、地域名はスオミ。

スオミ民族の神話・民話。スオミ民族はマジャール民族[ハンガリー]と同じくアジア系の民族でスカンディナヴィア人などのゲルマン系の 北欧人とは異なる。また北部ではスオミ民族とは別の、サーミ語を母語とするサーミ(サーメ)民族[ラップ]も居住する。 また北西部には スウェーデン系の少数民族もいる。近現代の戦争後の領土問題と絡んで、ロシア側にいた北極圏のトナカイ遊牧民が スオミ側に移り住むというような政治的な移住もあった。

国土は、7割が森林、6万を超える湖があり森と湖の国である。沼沢地、湿地、大小の湖が多く神話にも語られている。

11、12世紀からスウェーデンに長く支配され文化的に深く影響を受けた。19世紀になってもスオミ語の新聞や雑誌もなく、 スオミ人の文学者もスウェーデン語で詩や小説を書いていた。20世紀初頭、独立するまではロシア領自治国だった。 自治国といっても独自の政府、軍隊、通貨、国境線を持ち、限りなく独立国に近い存在だったようだ。

エリアス・レンロート(1802-1884)が、口承文学として民間に伝わっていた詩歌を採集、集成し叙事詩にまとめ、 自分たちの先祖の英雄達の住んでいた地の名前をとって「カレワラ」と命名し出版した。

レンロートの作業については伝統を重んじる人々からの批判もあったようだが叙事詩カレワラがなければ スオミ民族の古代からの物語を容易に知ることはできなかっただろう。

北極圏帯の文化は北欧からシベリアまでトナカイ遊牧など共通性が多少みられる。

スオミネイト(suomi-neito スオミの娘)という、地図上の国土の形を女性になぞらえるものがある。 伝統的なものともいうが地図技術のことを考えると近代のものではないだろうか。
(17-18世紀ころ、ヨーロッパでは国家の女神化的な風潮があったが関連するかは不明)

 
余談だが、アニメ作品『牧場の少女カトリ』では、ヒロインの少女カトリに、ある青年がカレワラの本を紹介する場面が出てくる。

参考資料
カレワラ(岩波文庫)
カレワラ(講談社学術文庫)
カレワラタリナ(レグルス文庫)
日本国語大辞典
・日本大百科全書 (小学館)
フィンランド語は猫の言葉

 
関連項目一覧
イルマタル 【スオミ(フィンランド):女神】
ウッコ 【スオミ(フィンランド):雷神】
ウンタモ 【スオミ(フィンランド): 】
サンポ 【スオミ:物品】
トントゥ(トンティ) 【スオミ(フィンランド):小人,家霊】
ヒーシ 【スオミ(フィンランド): 】
ベッラモ 【スオミ(フィンランド):精霊】
ユマラ 【スオミ(フィンランド):神:医者】
ワイナモイネン 【スオミ(フィンランド):女神】
(以下、少数民族関係)  
北ヨーロッパ北極圏先住民族 【文化地域項目】
コルタ民族 【フィンランド:民族:サーミ】
セイデ 【サーミ民族:神】
ノイド 【サーミ民族:巫術師】
ルオットチョジク 【サーミ:女精霊:トナカイ守護】

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