ルーマニアの国名は「ローマ人の国」の意。古代ローマ帝国の属州ダキアにあたる。(トラヤヌス帝) 先住のトラキアの一支族ダキア人と植民ローマ人が共存したようだ。現在の首都はブカレスト。
その後フンやアヴァール、モンゴルの侵入があった。 14世紀にはワラキア・モルダビアの2公国が成立。 その後、オスマン帝国の支配下になるが1878年に王国として独立する。 独立後も西部のトランシルバニアは40年間ほどマジャール[ハンガリー]の支配下だった。
バルカン半島の北東部にあり、黒海に面し、ブナやモミの森が広がるカルパート山脈からの水の流れは、南のドナウ河へ注いでいく。 中世の霧をまとった農民と牧夫の国、ドラキュラの故郷、牧歌的イメージは現代では過去のものかもしれない。
中央部から北西部のトランシルヴァニア(トランシルバニア)など吸血鬼伝説の源的地域がある。
民話・民謡など伝承は豊富で「ドイナ」(悲歌)、
「ストリガトゥーレ」(叙事詩)、バスム(おとぎ噺)、
「バラード」(ルーマニア、タタール、トルコ、ポーランド人で戦われた古戦場の歌)、
「レジェンダ」(民間伝説)などがあるという。
幻想昔話basme fantastice人間が超自然とかかわりを持つ話。
伝奇的昔話basme nuvelisticeは超自然とのかかわりはない。
龍人ズメウ、妖精ズーナ、美少年ファト・フルモース(Făt-frumos「すばらしい若者」古語)
などが民話を彩る。
吸血鬼は竜や大蛇としてダキア人の古い旗印に用いられていたという。
参考資料
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ルーマニアの民話 (東ヨーロッパの民話)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary